【県病だより】ナースのお仕事 Part.3 2024
2024.12.19 更新
Part.1、Part.2に続き、Part.3ではシリーズの中でもっとも知識と経験が豊富なお二人を紹介します。
総合周産期母子医療センターで赤ちゃんとお母さんのケアを担当している助産師6年目の早坂 奈央さんと、手術室を担当している看護師12年目の泉谷 奎さんです。
4階南病棟 早坂 奈央さん
早坂さんは2019年のリクルートサイト「Join Us」で看護師として取材(現在も掲載中)しました。当時は「お母さんが自身のお産を振り返った時に「いいお産だった」と前向きに考えられるお産となるよう、助産師としての技術を磨いていきたいです。」と語っていました。
現在は助産師6年目となり、総合周産期母子医療センターで切迫早産等の合併症妊婦の看護、褥婦の授乳・育児指導、分娩介助、新生児介補、外来での妊婦健診、産褥健診・母乳外来、婦人科外来看護等を行っています。
撮影の日は、担当の患者さんのおなかにモニターをつけて赤ちゃんの状態を確かめる経過観察などを行っていました。
(経過観察の様子)
20分ほど付けて、赤ちゃんの心音から健康状態やお母さんの腹部緊張の程度を評価しています。分娩時だけではなく、切迫早産やその他合併症を抱えた妊婦さんの評価には欠かせないものです。
インタビューから
日々の看護業務では何を心がけていますか
青森県唯一の総合周産期母子医療センターのため、県内各地から合併症を抱えた妊婦さんが搬送されてきます。産科病棟は生まれてくる児の状態次第では家族も含めて人生が大きく変わってくると感じています。そのため、より正確な説明や患者さんの受け止め方などをその都度確認するように気にかけています。
印象に残っている出来事
コロナ期間で立ち会い分娩が中止中の分娩介助に関わらせて頂いた患者さんから、「あなたが居なければ立ち会い分娩のないお産乗り越えられなかったです。ありがとう。」と感謝の言葉を頂いたことが、印象に残っています。患者さんから頂いた感謝の言葉が日々の業務の励みになっています。
新人の頃から成長したと感じるところ、やりがいを感じるところ
入職して6年が経過し、自分で判断し必要時には医師に診察を依頼するなど医師とコミュニケーションを取りながらケアにあたっています。
命の誕生に立ち会える感動は薄れることはありません。赤ちゃんが元気に泣いて生まれてきて、お母さんが笑って我が子を抱く姿を見ると癒やされ、私も一緒にホッとします。妊娠中から産後1ヶ月までと1年近く関わるため、産後の1ヶ月健診では母となり退院後の自宅での育児の様子を伺うことにもやりがいを感じます。
研修や勉強会について
センターでは毎月行う産科救急(※1)を臨床の現場にいかしています。他にも助産師の分娩介助をふり返る分娩カンファレンスや、医師による経腹超音波勉強会など、日々の業務に生かせる学びが多いです。
また、今年は助産師出向(※2)に挑戦し、他院で行われている助産ケア・他職種連携について学ぶ機会を頂きました。来年度から始まる院内助産や日々の助産ケアに繋げていきたいと考えています。
(※1)医師・病棟スタッフが集まり、シミュレーションに沿って実際に緊急時の動きや対応をふり返る
(※2)助産師出向とは、勤務する病院に籍を置いたまま、他施設で助産師として働くシステム
(出生直後の新生児の蘇生(C-PAP)を施行しているところ)
NCPR(新生児蘇生法)、J-CIMELS(日本母体救命システム普及協議会)の資格を持ち、今後はアドバンス助産師の資格取得を目指しているという早坂さん、リフレッシュ方法は「youtubeをみながら料理を作ること、温泉に行くことです」と話してくれました。
手術室の泉谷 奎さん
手術部の泉谷さんは看護師歴12年目で、手術で使用する薬剤や器械、部屋の準備・確認、麻酔の介助や手術の直接介助など、日々手術が安全かつ円滑に進行できるように対応しています。
撮影の日も手術で使用する薬剤や器械、部屋の準備などを確認していました。
(手術で使用する薬剤の準備をする様子)
インタビューから
日々の看護業務では何を心がけていますか
周術期である患者さんが安全安楽に手術に臨めるように、患者が抱える不安や緊張など精神的ストレスを理解し介入を心がけています。また、手術が円滑に進行できるように、自己学習を深め術式にあった準備を行い、安全に確実に迅速な対応を心がけています。
そして患者さんに関わる全てのスタッフとのコミュニケーションを大切にし、チームビルディングに努めています。
印象に残っている出来事
難易度の高い手術を行う際、手術前に医師と業者を交えたミーティングを行い、手術が円滑に進行し終了したこと。また、院外研修で当院の手術看護について発表したことなどです。
新人の頃から成長したところ、看護師としてやりがいを感じるところ
仕事の技量も知識も全て成長したと感じます。その中でも大きく変化したのは考え方と視点、責任感だと思います。難易度が高い手術や、何時間も立ちっぱなしの場合は大変ですが、無事に手術を終えた達成感や安堵感があり、やりがいを感じます。また、そのような手術に向けた事前準備が自身の成長と自信へ繋がります。
研修や勉強会について
手術部内で手術に関わる定期的な勉強会。MIST学会(最小侵襲脊椎治療学会)にて模型や実際に使用している器械に触れ学ぶハンズオン研修や手術看護学会などから知識を得て日々の業務に活用しています。
(後輩へ術前に器械出し業務を指導している様子)
5歳の男の子と3歳の双子の3人のお子さんを育てる泉谷さんは、「子供たちと一緒に遊ぶことや、喫茶店での空間や雰囲気を感じながら飲むコーヒーが好きでリフレッシュになります。」また、「共働きで子育てをするのは大変ですが、職場スタッフの協力を得て楽しく仕事と家庭を両立することが出来ています。」と話してくれました。
(一番左が泉谷さん 撮影日のスタッフのみなさんと)
採用情報について
リクルートサイト『Join Us』には、看護師をはじめ、初期研修医、専攻医、医療技術職員の情報を掲載しているほか、勤務条件や採用日程などについてもご覧いただけます。