【県病だより】感染症発生時に備え、関係機関と連携した訓練を実施 ~ 一類感染症患者受け入れ訓練 ~
2026.10.29 更新
青森県立中央病院は青森県内で唯一の第一種感染症指定医療機関です。
10月16日、エボラ出血熱疑いの患者の受け入れを想定した「一類感染症患者受け入れ訓練」が行われました。


今回の訓練には、当院をはじめ、青森市保健所、東津軽保健所、仙台検疫所青森出張所、青森県健康医療福祉部保健衛生課が参加しました。
また、中南・三戸・西北五・上北・八戸の各保健所、青森県立つくしが丘病院、平内中央病院、浅虫温泉病院、あすなろ療育福祉センター、弘前大学医学部附属病院が見学者として参加しました。
目的は、「一類感染症患者及び疑似症患者発生時に備え関係機関ならびに院内での連絡体制を確認し患者を安全に搬送し診療できる。」です。
はじめに、当院の感染管理センター長 北澤先生から全体説明があり、その後、センターテーブルに各担当プレイヤーが集まり開始されました。


訓練の様子
1.疑似症患者発生時の連絡体制の確認
関係機関(院外・院内各部署)とのホットライン、情報伝達ルートの迅速性と正確性を検証しました。


2.疑似症患者の受け入れ準備
患者受け入れ時の地下搬送ルートから9階東病棟一種感染症病床までの最小接触・最短時間搬送ルートをあらかじめ設定した動線(人払い、エレベーターの専用化、養生等)がマニュアル通りに機能するか、搬送スタッフのPPE着用下での安全性を検証しました。


3.患者搬送→青森県立中央病院での受け入れ体制の確認
患者を車椅子へ移し替え、病院建物内へ入館するまでの「屋外・接続エリアにおける初動対応」を検証しました。


4.初療実施(診察・検体採取・レントゲン撮影)
第一種感染症病床に収容された疑似症患者に対し、医療スタッフがフル装備の個人防護具を着用した状態で、バイタルサイン測定、模擬検体採取(採血)、レントゲン撮影を実施しました。検証の主眼は「PPE着用下での医療行為の正確性・安全性」「汚染区域(レッドゾーン)と清潔区域(グリーンゾーン)の境界管理におきました。


終了後、当院の廣田院長から全体の総括があり、各参加者の代表からのご意見や感想、実際のプレイヤーからは、感想や確認点、提案などがされました。
また、今回の訓練には、青森県健康医療福祉部 保健医療政策推進監の大西基喜先生、東京都立墨東病院 感染症内科責任部長の中村ふくみ先生をお招きしており、訓練の様子からアドバイスをいただきました。
(左:廣田院長 中央:中村先生 右:大西先生)



参加者の感想
- 検疫所、県、市、保健所および病院の間で、どの機関がどの段階で連絡を受け、どの情報を伝達するかについて、より具体的に整理する必要がある
- PPEを着用して30分経過すると暑さや疲労によって注意力が低下し、感染対策の精度にも影響するおそれがある
- 室内が混雑し、職員が退出できずに待機する状況が見られた。職員の入室・退出の順序を明確にして室内の責任者が状況を把握しながら指示をする体制が必要
- (患者役)感染対策を徹底することはもちろん重要であるが、患者の不安を軽減するため、実施する検査や対応の流れについて患者にわかりやすく説明することも重要
次の訓練に向けて
今回、初めての大規模な一類感染症疑似症患者搬送訓練を実施するにあたり担当職員の皆さんには、関係機関と2年間にわたる議論と綿密な準備を重ねていただき、心より感謝申し上げます。
実際の訓練を通じて明らかになった課題を改善につなげ、関係機関との連携をさらに深めていきます。県立病院として、重篤な感染症の発生時にも県民の健康と安全を守り、病院全体で安全かつ適切な診療を提供できる体制を確立するため、今回の訓練を確かな出発点として、感染症対応能力の向上に取り組んでいきます。

