青森県立中央病院

【県病だより】診療看護師 Part.2

2023.11.16 更新

県病には、様々な資格を持って医師とともに医療を支える看護師がいます。
Part.1では、主に診療看護師とはどのような看護師なのかを紹介しましたが、今回は、救急部と心臓血管外科に所属する2名の診療看護師の業務やインタビューの内容を紹介します。

救急部 中村 祐太さん

救急部では、病棟管理業務、ER患者対応、PICC(末梢静脈挿入型中心静脈カテーテル)挿入などの処置を行っています。

人工呼吸器の設定変更の様子
診療看護師4

救急部 中村さんのある日のスケジュール

7:30 登院・カルテから情報収集

8:00 EICUカンファレンスに参加

8:15 ERカンファレンスに参加

8:30 RRT(院内急変対応チーム)ラウンド

9:00 ER創傷処置外来

10:00 病棟管理業務+ER患者対応+PICC挿入などの処置

12:30 休憩

13:30 病棟管理業務+ER患者対応+PICC挿入などの処置

17:00 業務終了

インタビューから

印象に残っていること
人工呼吸器装着中の入院患者の急変で主治医がすぐに対応できないため初期対応を行った事例。病棟急変の初期対応を一人で行うのは初めてであり、慎重に検査や家族への説明などを行いました。CT検査で異常を発見し医師へ報告、治療に繋げることができました。その後は順調に回復し自宅退院となったことは大きな自信となっています。

やりがいや難しさについて
診療看護師は患者さんのニーズにタイムリーに応えることができます。患者さんからの感謝の言葉や医療者からのねぎらいの言葉などを頂いたときはやっていて良かったと思います。医師と看護師の意見の間に入ることもあり、どのような対応が双方納得し、うまく折衝できるのか考えることはときには難しさを感じます。

診療看護師として重要だと考えていること
いかなることにも挑戦してみる。ただし自分自身の限界は見誤らないこと、できないこともある。

COVID19肺炎の患者に対して診療看護師を目指す学生に指導しながらPICCを挿入している場面
(中央が中村さん 右端と左端前が学生、左側奥が指導医の齋藤部長)
診療看護師5

オフの過ごし方
3人のこどもがいます。休日は末っ子の1歳児と遊ぶことが多いです。つい最近もふたりで浅虫水族館へ遊びに行きリフレッシュしてきました。

救急部 齋藤部長からのメッセージ
救命救急センターはERや総合診療部の外来、集中治療室、一般病棟まで、外来業務から緊急入院、重症患者の管理まで業務内容は多岐にわたります。医師はマルチタスクで業務をこなしており、医学的な視点でサポートできるスタッフがもう少しいれば仕事が上手く回るのに、と常々考えています。
これらの問題を解決するスタッフが診療看護師です。中村さんが診療看護師として救命救急センターに加わってから業務効率が格段に向上し、タスクシフト・タスクシェアが機能していることを実感します。
これからも今まで培ってきた看護師の経験と、大学院で学んだ医学的な視点を活かし、チーム医療の要として活躍することを期待しています。

心臓血管外科 栁谷 和明さん

入院患者さんとの関わりが多く、入院から退院後まで途切れることなく関わります。
主に症状管理(疼痛・不安・不眠・栄養・排泄)を行っています。

朝のカンファレンスの様子(前列中央が柳谷さん)
診療看護師6

心臓血管外科 柳谷さんのある日のスケジュール

8:15
情報収集(電子カルテ+患者訪問)
回診・カンファレンス(この時に医師から指示をもらい、以降の処置を実施)

9:00
陰圧閉鎖療法交換、各種カテーテル挿入
入院患者対応:入院指示代行入力、各種同意書説明 
他職種情報共有(リハスタッフとリハビリ状況、栄養士と栄養評価、薬剤師と患者服薬状況、社会福祉士と転院調整状況などの確認)
検査所見等確認:採血・画像、他科頼診の返事確認など

12:00
患者さんの昼食状況、嚥下リハビリ状況確認

13:00
患者状態確認 (創部・身体所見・超音波実施など)
内服・注射の確認(中止可能か、継続の場合は代行入力)
手術助手業務(第2助手 開・閉創 etc)
翌日以降の入院準備 (検査・書式・術前休止薬チェックなど)
生活指導(退院後のセルフケア etc)

17:00
患者訪問
翌日以降の入院患者再確認
検査・画像検査の再確認、医師への患者状態報告などを終え業務終了

インタビューから

印象に残っていること
退院後も、外来受診時に病棟へ会いに来てくれる患者さんがいること。
良くも悪くも、ネガティブ思考なので上手くいかなったことばかりが印象に残っています。

やりがいや難しさについて
患者さんが順調な経過を辿る過程に自身が関われた時などはやりがいを感じます。
難しさとしては、自身が当院の診療看護師モデルケースであること(自身の行為=診療看護師の行為)。
看護師の時は患者状態変化時に「医師へ報告する」で解決できていたことも多かったが、報告時に自身のアセスメントと対応策まで考え伝える必要があること。

診療看護師として重要だと考えていること
基本的に看護師として、診療看護師として、とは考えていません。
「一人の医療従事者として、他人の人生に関わる仕事に従事しているという自覚」
「専門職・プロであるという自覚(思考停止は罪)」「我々の日常は患者・家族の非日常ということ」

創部管理 陰圧閉鎖療法

オフの過ごし方
家族と過ごすこと、他施設の診療看護師との研究会・勉強会。
Mr.Childrenが好きなのでLIVEに行ったりオフ会をすること。

心臓血管外科 永谷部長からのメッセージ
現在、当院では2名の診療看護師が日々臨床の現場で活躍しております。
医師の立場からするとタスクシフトの担い手として、またチーム医療の中心的メンバーとしてとても頼もしく、一緒に仕事をするようになって4年が経過しましたが、今では彼らがいない診療体制は考えられず、今後も知識のブラッシュアップを行いながら活躍し続けることを期待しております。
当院では診療看護師を増やし、各診療科で活動していける体制づくりを現在進めており、是非興味のある方はご相談ください。

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