【県病だより】診療看護師 Part.1
2023.11.09 更新
青森県立中央病院には、様々な資格を持って医師とともに医療を支える看護師がいます。
今回は、医師の指示や手順書(指示書)のもとであれば、一定の範囲内の診療行為(特定行為)を行うことができる診療看護師について2回にわたって紹介します。
Part.1では、診療看護師とはどのような看護師なのか紹介します。当院には、救急部の中村さんと心臓血管外科の柳谷さんの2名が診療看護師として活躍しています。
PICC(末梢静脈挿入型中心静脈カテーテル)を挿入する診療看護師の様子
(左:中村さん 右:柳谷さん)
診療看護師とは?
診療看護師(Nurse Practitioner:NP)とは、5年以上の看護師経験を有し、日本NP教育大学院協議会が認定する大学院修士課程を修了し、同協議会が実施する診療看護師認定試験に合格した看護師です。
一般的な看護師は看護ケアに従事し、医師のような診療行為はできません。
診療看護師は、医師の指示や手順書(指示書)のもと、一定の範囲内の診療行為(特定行為)を行うことができます。
例えば、医師の指示(包括的指示)のもと、薬剤の調製や人工呼吸器を始めとする医療機器の設定変更を行います。患者の異常発見時に医師がすぐに対応できない場合には、診療看護師が初期対応を行い、必要に応じて血液検査や画像検査のオーダーを行うこともあります。
救急部 朝カンファレンスの様子 左端が中村さん
診療看護師の役割について
チーム医療のつなぎ役・要となるように活動し、多職種の専門性をフルに発揮できるよう潤滑剤的な役割を果たします。また、患者や医師、スタッフにもメリットが生まれます。業務の円滑化や質の向上、医師の時間外労働時間の減少などにもつながります。
- 看護師から:
医師には相談しにくい・聞きにくいこともNPになら相談できる。
直接言わなくてもNPが間に入って医師に確認してくれる。 - 医師から:
信頼して業務をまかせることができる。
NPがいることで、医師はより専門性の高い業務に集中できる。 - 患者から:
患者のそばにいる時間が医師と比較すると長いため、きめ細かい対応ができる。
また、医師には相談しにくいことも相談できる。
心臓血管外科 人工呼吸器の設定調整を行う柳谷さん
Part.2では、救急部 中村さんと心臓血管外科 栁谷さんの業務やインタビューの内容を紹介します。