がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)
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がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)とは
👉「がんゲノムプロファイリング検査」とは「がん細胞」に起きている遺伝子の変化を調べ、あなたの「がん」の特徴に適した治療法を検討する検査です。
がんゲノムプロファイリング検査は、生検や手術などで採取されたがんの組織を用いて、高速で大量のゲノムの情報を読み取る「次世代シークエンサー」という解析装置で、1回の検査で多数(数十~数百)の遺伝子を同時に調べます。遺伝子変異が見つかり、その遺伝子変異に対して効果が期待できるゲノム医療薬がある場合には、臨床試験などでその薬の使用を検討します。
現在のところ、遺伝子変異が見つかる割合は約90%、遺伝子変異に合う薬剤が見つかる割合は約50%ですが、実際にその薬剤を使用できた割合は約10%です。
当院で行うことができる「がんゲノムプロファイリング検査」
検査の種類 | 遺伝子数 | 費用 | 検査地域 | 検体 | 検査の対象・時期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
保険診療 | FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイリング |
324 | 56万円(うち保険負担割合の額) | 米国 | 腫瘍組織 | 保険適用上の要件あり (詳細は下記「保険診療で行うがんゲノムプロファイリング検査の対象」をご参照ください。) |
FoundationOne® Liquid CDx がんゲノムプロファイリング |
324 | 米国 | 血液 | |||
OncoGuide™ NCCオンコパネルシステム |
124 | 国内 | 腫瘍組織 /血液 |
|||
Guardant360® CDx がん遺伝子パネル |
74 | 米国 | 血液 | |||
GenMine TOP がんゲノムプロファイリングシステム |
737 | 米国 | 腫瘍組織 /血液 |
|||
自費 | Oncomine™ Focus Assay | 52 | 約33万円 | 院内 | 腫瘍組織 /血液 |
制限なし |
コニカミノルタREALM 遺伝性腫瘍パネル検査 |
※ | ※ | 米国 | 血液 |
保険診療で行うがんゲノムプロファイリング検査の対象
本検査は、「標準治療がない固形がん患者又は局所進行若しくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者(終了が見込まれる者を含む。)であって、関連学会の化学療法に関するガイドライン等に基づき、全身状態及び臓器機能等から、本検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した者に対して実施する場合」に保険適用できると決定されました。
以下のような方が対象となります。
- 全身状態が良好である。
- 病理学的診断によって悪性固形腫瘍(固形がん*¹)と診断されている。
- 治癒切除不能または再発の病変を有する(1)または(2)の腫瘍。
(1) 標準治療がない、標準治療が終了している、もしくは終了が見込まれる固形がん
(2) 標準治療がない固形がん*²
(*1)固形がん
がんのうち血液を作る臓器である骨髄やリンパ節から発生する白血病や悪性リンパ腫をのぞいた、かたまりを作って増殖するタイプのがん(例:胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん等)のことです。
(*2)標準治療がない固形がん
がんが発生した臓器(原発部位)から離れた部位で進展したがん(転移巣)が先にみつかり、原発部位がわからないがん(原発不明がん)や、発生数が少ないがん(稀少がん)のことです。
がんゲノムプロファイリング検査の流れ
1 | 申込 | 本検査の受検について、まずは主治医に相談してください。 主治医より診療申込(診療申込書をFAX) |
2 | 検査の説明 | 臨床遺伝科外来を受診(外来1回目) 検査について説明をします。 |
3 | 検体 チェック |
腫瘍組織検体がある場合は、当院病理部にて検体が検査可能かどうかを確認します。 |
4 | 同意取得 (採血) |
臨床遺伝科外来を受診(外来2回目) 検査を受ける場合は同意書に署名後、採血が必要な場合は採血をします。 検査会社へ検体を提出します。 |
5 | 解析~ 症例検討 |
検査会社より解析結果を受領後、当院連携先国立がん研究センター東病院でのエキスパートパネル*で症例検討します。 *エキスパートパネル:国から指定を受けたがんゲノム医療中核拠点病院等に設置される専門家チームで遺伝子に関する様々な分野の専門家で構成され、遺伝子の検査データをもとに症例検討します。 |
6 | 解析結果の 説明 |
臨床遺伝科外来を受診し、検査結果について説明します。(外来3回目) (注)検査後の治療は、当外来担当医ではなく現在の主治医の判断となります。 |
がんゲノムプロファイリング検査で使用する検査用検体について
がんゲノムプロファイリング検査には病理組織検体が必要な場合があります。
検体の準備は紹介元の病院にお願いしております。
また、可能な場合は、ブロックをご送付いただき、当院で作製させていただくこともございます。
検査の種類により病理組織検体の準備方法が異なりますので、患者さんが当科を受診し、希望される検査が決まりました後、主治医の先生に必要な検体や書類についてご連絡します。それをご確認いただきご準備ください。
【検体作製ガイド】
外来予約・受診方法
詳細は、外来予約・受診方法をご確認ください。
がんゲノム医療やがん遺伝子パネル検査についてもっと詳しく知りたい方へ
下記のWebサイトでは、遺伝子とがんの関わりやがん発症の仕組み、がんゲノム医療に関する解説が掲載されています。