インシデント報告
インシデント報告について
インシデント、アクシデントとは
インシデント | 医療現場において患者さんに悪い影響が発生することはなかったが、事象によって簡単な処置が必要だった事例 |
アクシデント (医療事故) |
医療者の過失の有無を問わず、患者さんに悪影響を及ぼし、新たな治療が生じたり死亡となった事例 |
職員は、アクシデント報告に加えて、患者さんに重大な影響を及ぼすことはなかったが、日常医療の現場で、「ヒヤリ」としたり「ハット」した経験を有する事例を「インシデント」として報告しています。
医療安全推進委員会において、事例の原因分析・内容等を評価分析し、事故防止に役立てています。
当院はレベル0からレベル3aまでをインシデント、レベル3b以上をアクシデントとして報告しています。
レベル | 傷害の 継続性 |
傷害の 程度 |
傷害の判断基準 |
---|---|---|---|
レベル0a | 仮に実施されていても、患者への影響は小さかった(処置不要)と考えられる | ||
レベル0b | 仮に実施されていた場合、患者への影響は中程度(処置が必要)と考えられる | ||
レベル0c | 仮に実施されていた場合、身体への影響は大きい(生命に影響しうる)と考えられる | ||
レベル0d | アンプル破損 | ||
レベル1 | なし | 患者への実害はなかった(何らかの影響を与えた可能性は否定できない) | |
レベル2 | 一過性 | 軽度 | 処置や治療は行われなかった(バイタルサインの軽度変化が生じ、患者観察の強化安全確認のための検査などの必要性が生じた) |
レベル3a | 一過性 | 中等度 | 簡単な処置や治療を要した(消毒、湿布、鎮痛剤の投与、皮膚の縫合など) |
レベル3b | 一過性 | 高度 | 濃厚な処置や治療を要した(バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、外来患者さんの入院、骨折) |
レベル4a | 永続的 | 軽度~ 中等度 |
永続的な傷害や後遺症が残ったが、ADLを害する機能障害や美容上の問題は伴わない |
レベル4b | 永続的 | 中等~ 高度 |
永続的な傷害や後遺症が残り、ADLを害する機能障害や美容上の問題を伴う |
レベル5 | 死亡 | 死亡(原疾患の自然経過によるものを除く) |
重大事故の背景には-ハインリッヒの法則

「ハインリッヒの法則」とは、ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ(Herbert William Heinrich)(1886年〜1962年)がアメリカの損害保険会社にて技術・調査部の副部長をしていた1929年に出版された論文の中に出てくる法則です。
この法則によると、1件の重大事故の背景には、29件の軽症事故、300件のヒヤリ・ハットが存在すると言われています。
重大事故を防ぐにはインシデントを分析することが重要であり、対策とその効果などを常に検証していくことで、重大な事故を未然に防ぐことに繋がりますので、より多くのインシデント報告が必要となります。
平成17年度~令和3年度 インシデント・アクシデントの動向データ
令和3年度は、令和3年度は前年度と比較1800件増加しました。薬剤部による疑義照会のデータ管理の精度が高まり、件数が可視化された結果が1700件の増加となりました。 また、「チューブ・ドレーン管理の自己抜去」が約100件増しました。前年度看護部が身体拘束解除にむけた取り組みを強化した影響もあり自己抜去の件数は増加しましたが、患者への影響(事象レベル3a以上)が少なくリスクの程度を考慮し対応ができていると評価できます。 医師からの合併症も積極的に報告していただきました。
令和3年度 インシデント・アクシデント報告データ
事例内容
事象レベル(令和3年度)
当事者の職種(令和3年度)