経営実績
青森県立病院第6次中期経営計画の策定について
病院局では、令和7年3月、県立病院の新たな中期経営計画を策定しました。
令和6年4月に新たな病院事業管理者が就任しましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を経て、医療機関を取り巻く環境は大きく変化しており、人口減少・少子高齢化の急速な進展に加え、コロナ禍以後の入院患者数の減少や、人件費の増加、経費の高騰、医療従事者の働き方改革への対応など、より一層的確で、効率的かつ戦略的な病院運営が求められています。
このような中、令和5年度は約17億円の赤字収支となり、令和6年度も見込まれる大幅な赤字収支からの経営の立直しが急務となっているほか、令和14年度中の統合新病院の開院に向け、青森市との共同経営・統合新病院への移行を円滑に進めていく必要があります。
また、令和5年度末に策定された第8次青森県保健医療計画や地域医療構想で求められている役割・機能に適切に対応することが必要です。
以上のことを踏まえ、新たな病院事業管理者のもとで、経営方針等の達成に向け計画的に取り組むため、新たな中期経営計画を策定したものです。
計画期間は、病院事業管理者の任期に合わせ、令和7年度から令和9年度までの3年間としています。
県立中央病院及び県立つくしが丘病院の病院基本方針を踏まえ、取組方針ごとに取組方策を実施することとしています。
中期経営計画では、収支計画や投資計画、数値目標、人材計画を定めており、経営の一層の効率化を図り、収支の改善に努めていくこととしています。
この中期経営計画に基づき、病院局職員一丸となって、着実に取組を進めていきます。
県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019の取組状況について
県立中央病院では、「県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019」の計画実現のための具体的な方策である「県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019実施計画」を作成しています。
実施計画に掲げる取組状況については、病院事業管理者ヒアリングを実施するとともに、外部有識者等で構成される「県立病院経営評価会議」で、評価を行っています。
実施計画には、各年度の取組の実施状況を取りまとめているほか、達成困難と思われる取組については、見直し等を行っています。
- 県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019実施計画【平成31年3月策定】
- 県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019実施計画【令和3年2月策定】
- 県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019実施計画【令和4年2月策定】
- 県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019実施計画【令和5年2月策定】
- 県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019総括(令和元年度~令和4年度)【令和6年2月】
経営状況について
青森県立中央病院の経営状況は、以下の表のとおりです。
令和5年度は、医業収益が260億921万円余で、前年度と比較して約11億6千万円の増となっています。これは、高度専門医療の充実や高度・先進医療の提供に必要となる高額薬品の利用等により、入院・外来とも、1人1日当たりの診療単価が前年度より向上したことなどが要因となっています。
また、医業費用は289億9,702万円余で、前年度と比較して約16億6千万円の増となっています。これは、医業収益の増加に連動する材料費の増加や、物価高騰等に伴う経費の増加などが要因となっています。
(単位:千円)
| 項目 | 令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 病院事業収益(①) | 27,520,068 | 28,281,177 | 29,226,886 | 29,430,394 | 29,190,087 | 99.2% |
| 医業収益 | 24,084,117 | 23,129,351 | 24,422,164 | 24,852,287 | 26,009,218 | 104.7% |
| 医業外収益 | 3,435,951 | 4,774,829 | 4,804,722 | 4,578,107 | 3,180,869 | 69.5% |
| 特別利益 | ー | 377,000 | ー | ー | ー | ー |
| 病院事業費用(②) | 27,322,718 | 27,265,025 | 28,288,319 | 29,022,239 | 30,895,943 | 106.5% |
| 医業費用 | 25,765,113 | 25,273,516 | 26,659,456 | 27,340,374 | 28,997,020 | 106.1% |
| 医業外費用 | 1,557,605 | 1,614,509 | 1,628,863 | 1,681,865 | 1,898,923 | 112.9% |
| 特別損失 | ー | 377,000 | ー | ー | ー | ー |
| 当年度純損益(①-②) | 197,350 | 1,016,152 | 938,567 | 408,155 | △ 1,705,856 |
※千円単位で表示しているため、端数が合わない場合がある。
一般会計からの繰入金について
当院は、救命救急センターや総合周産期母子医療センター等の政策医療のほか、がん診療等の高度専門医療を提供しています。
これらの政策医療や高度専門医療の中には、現行の診療報酬だけでは必要な経費を賄うことが困難なものがあり、また、医療水準を維持・向上させていくためには、継続的に人的・物的投資を行っていく必要があります。
これらの医療部門の運営費や、施設・医療機器等の設備投資に必要な財源について、地方公営企業法に基づき、一般会計が負担する経費として、病院事業会計に繰入が行われています。
今後も、効率的かつ効果的な病院経営を目指しつつ、県内唯一の県立総合病院として期待される医療を提供していきます。
(単位:千円)
| 項目 | 令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 収益的収入 | 2,056,449 | 3,424,642 | 3,595,849 | 3,467,292 | 2,176,263 |
| 資本的収入 | 577,452 | 849,913 | 698,905 | 623,441 | 660,626 |
| 合計 | 2,633,921 | 4,274,555 | 4,294,754 | 4,090,733 | 2,836,889 |
青森県立中央病院将来構想の策定について
青森県立中央病院は、将来のあるべき医療提供体制の実現に向けて、「青森県地域医療構想」(以下、「地域医療構想」という。)に示された役割・機能に適切に対応していく必要がある中、院舎は築37年以上経過し、老朽化とともに建設当時の想定を超えた医療技術の進歩などにより、高度化・多様化する医療ニーズへの対応が困難となりつつあります。
こうしたことを踏まえ、病院局では、地域医療構想を推進していくために必要な医療機能等を備えた病院としての目指す姿をまとめた「青森県立中央病院将来構想」(以下、「将来構想」という。)を策定しました。
将来構想では、病院の目指す姿として5つの柱を掲げていますが、その実現に向けて、「急性期医療、専門医療、政策医療機能の拠点整備」、「持続可能な病院経営体制の構築」、「連携・ネットワーク強化のための体制づくり」の3つのテーマについて具体的に検討を進めることとしています。

