呼吸サポートチーム
呼吸サポートチーム(RST:Respiratory Care Support Team)
私達、呼吸サポートチームは、患者さんの安全で早期な回復を目指し、呼吸管理やケアについて専門的視点からサポートするチームとして、平成23年から活動しています。
人工呼吸器を装着している患者さんの安全やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上、そして人工呼吸管理や呼吸ケア行うスタッフが自信を持って安全なケアができるよう、RSTは意欲的にサポートします。
活動内容
RSTラウンド
対象患者
- 主に、一般病棟で人工呼吸器を装着している患者
- その他、人工気道を有する患者、呼吸ケアを要する患者など
定期回診(ラウンド)
毎週火曜日、RSTメンバーが対象患者さんのベッドサイドへ訪問し、人工呼吸管理中の治療やケア、安全管理、合併症予防や呼吸リハビリテーションに関する助言や支援を行っています。
相談
RSTは各病棟や診療科からの診療依頼やケアの相談に対応します。
患者さんやご家族からのご相談に関しては、直接の窓口はございませんが、ご担当の医師または看護師にご相談のうえ、チームメンバーを紹介して頂くことで対応は可能です。

RST研修会
「人工呼吸管理や呼吸療法に必要な知識を習得できる」ことを目的に、奇数月第4火曜日に院内研修会を開催しています。また、毎年秋頃には、院外の講師をお招きし、呼吸療法に関する知見を広めるためのRSTセミナーを開催しています。周辺の医療機関にもお知らせをしますので、ぜひご参加ください。
【内容】
- 院内研修会
人工呼吸器のモード・グラフィック波形、胸部画像の見方、気管挿管チューブのテープ固定、人工呼吸管理中の栄養管理、口腔ケア、ハイフローセラピー、SAT・SBTなど - RSTセミナー
RST活動報告、人工呼吸管理中の患者さんへのケアの取り組みについて、呼吸リハビリテーション、最新の人工呼吸管理について、など
その他のとりくみ
VAE(人工呼吸器関連イベント)サーベイランス
RSTメンバーである感染管理認定看護師がリーダーシップをとり、重症部門のVAEについてサーベイランスを行っています。今後は対象を院内に拡大する予定です。VAE予防のための適切なケアや人工呼吸管理の整備を進めます。
SAT(自発覚醒トライアル)・SBT(自発呼吸トライアル)の導入
EICU・ICU所属のRSTメンバーが中心となり、SAT・SBTの導入に取り組んでいます。患者さんにとってより適切なタイミングで人工呼吸器の離脱や気管チューブの抜管ができるよう、仕組み作りをサポートします。
その他、安全管理室や感染管理室等、院内の組織と協働し、人工呼吸や呼吸療法関連の医療機器選定に対する助言や人工呼吸器トラブルに対する対応策策定と啓発活動を行っています。
活動成果と活動の特色
RSTでは初年度から、人工呼吸器装着患者さんの早期離脱に重要な、早期リハビリ導入やベッド上での頭位挙上を勧めてきました。リハビリオーダー件数は活動初年度から年々増加し、今ではラウンドに伺った時点で既にリハビリがオーダーされているケースがほとんどです。
他にも、人工呼吸管理中の管理やケアについては、他チームとの連携があります。ありがたいことに、院内の各部署や部門、他チームからも声をかけていただけるチームになりました。呼吸器離脱や合併症の予防をめざして、多職種が協力し合って続けられていることが、当院RSTの強みです。
今後の展望として、RSTでの特定看護師の活用です。 患者さんにタイムリーにケアの提供ができる特定看護師がRSTメンバーの中に増えていく予定です。患者さんとご家族、そして 医師、看護師のサポートができればと考えています。
メンバー
チームリーダー:佐藤伸之(呼吸器外科部長・副病院長)
- 医師1名(呼吸器外科:1名)
- 看護師12名(うち呼吸療法認定士:9名)
- 急性・重症患者看護専門看護師:1名、救急看護認定看護師:2名、感染管理認定看護師:1名、クリティカルケア認定看護師1名が所属
- 診療看護師1名(呼吸療法認定士)
- 臨床工学技士2名(呼吸療法認定士:1名)
- 理学療法士3名(呼吸療法認定士:3名)
- 歯科衛生士1名
RSTメンバーは、RST研修会の他、様々な研修会講師やインストラクターなどでも活躍しています。

