ゲノム検査室
ゲノム検査室の新着情報
2023.08.16
県病ゲノム検査室がCAP認定 ~世界水準の品質で検査を提供~
お知らせ 来院される方へ ゲノム検査室
臨床遺伝科
診療スタッフ
室長 北澤 淳一(きたざわ じゅんいち)
【新興感染症対策推進監、医療の質向上統括調整監、臨床検査部長、ゲノム医療部長、ゲノム検査室長、中央採血部長、感染管理室長】
- 卒業年/昭和63年
- 資格など/臨床遺伝専門医、臨床検査専門医・臨床検査管理医、日本輸血・細胞治療学会認定医・評議員、血液専門医・指導医、小児科専門医・認定指導医、日本小児血液・がん学会評議員、日本感染症学会推薦感染制御医師(ICD)、日本医師会認定産業医、診療情報管理士
- 得意分野/臨床遺伝学、臨床検査医学、輸血学、遺伝医学、血液疾患、小児科全般、感染管理、診療情報管理
スタッフ構成
- 臨床医:1名
- 臨床検査技師:2名
- 非常勤事務員:1名
検査項目
I.UDPグルクロン酸転移酵素遺伝子多型(UGT1A1)
UGT1A1は、抗がん剤イリノテカンの代謝に関与する代謝酵素です。UGT1A1遺伝子の多型の中の数種類の遺伝子には、抗がん剤イリノテカンの代謝が著明に低下することで骨髄抑制や下痢などの重篤な副作用の発生頻度が高いことが明らかになっています。
イリノテカン投与対象となる患者さんのUGT1A1遺伝子多型を測定し、イリノテカン投与後の副作用発現の危険性を予測します。
II.造血器腫瘍遺伝子検査
造血器腫瘍遺伝子検査とは、骨髄増殖性腫瘍(真性赤血球増多症、本態性血小板血症、原発性骨髄繊維症他)の診断に有用な検査です。JAK2遺伝子、MPL遺伝子、CALR遺伝子の変異有無を同時に確認する検査として、スクリーニングや診断補助に有用です。
III.オンコマインDx Target Test マルチ CDx システム
「オンコマインDx Target Test マルチ CDx システム」は遺伝子パネルを用いた次世代シークエンス技術(NGS)によるコンパニオン診断システム*です。
下表の医薬品の適応判定の補助を目的として、対応する遺伝子変異等を検出します。
*コンパニオン診断:特定の医薬品(分子標的薬)が標的とする異常なたんぱく質は遺伝子変異によって作られるため、がん細胞の中に対応する遺伝子変異があるかどうかを調べる検査。
対象遺伝子変異等 | がん種 | 関連する分子標的薬 |
---|---|---|
BRAF V600E変異 | 非小細胞肺癌 | ダブラフェニブメシル酸塩及びトラメチニブジメチルスルホキシド付加物の併用投与 |
EGFR遺伝子変異 | ゲフィチニブ、エルロチニブ塩酸塩、アファチニブマレイン酸塩、オシメルチニブメシル酸塩、ダコミチニブ水和物 | |
ALK融合遺伝子 | クリゾチニブ、アレクチニブ塩酸塩、ブリグチニブ、ロルラチニブ | |
ROS1融合遺伝子 | クリゾチニブ、エヌトレクチニブ | |
RET融合遺伝子 | 非小細胞肺癌 甲状腺癌 | セルペルカチニブ |
RET遺伝子変異 | 甲状腺髄様癌 | セルベルカチニブ |