青森県立中央病院

【県病だより】救える命のもとへ ~フライトナース Part.2~

2023.07.20 更新

フライトナースは救命救急センターに所属しています。
同センターには、救急外来とEICUがあり、フライト担当日(月に5回程度)以外は他の看護師と同様に看護業務にあたります。ドクターへリの要請があればすぐに出動するため、フライト担当日は、自部署で補助的な役割を担います。
フライト担当日は下記のようなスケジュールとなります。

7:45 出勤
8:00 準備・点検、運航スタッフ全員でのブリーフィング
8:30 《要請時》出動事例毎に
・ドクターヘリ機内と携帯バッグの使用物品の補充、整備
・機内清掃
・出動の記録、伝票整理など

《待機時》
・救急外来・EICUの各所属部署での業務

17:00 運航スタッフ全員でのデブリーフィング
後片付け

 
Part.2では、フライトナースで現在OJT中の太田看護師と、11年目佐々木看護師の2人を通して日々の業務やインタビューの内容などを紹介します。

OJT中の太田看護師

写真は格納庫内で行われたOJT開始前の最終シミュレーションから
(点滴ルートを確保)

印象に残っているフライトや訓練

教育シミュレーションが印象に残っています。
先輩が経験した実際の症例をもとに、自分ならどのように行動するかリアリティをもって取り組みました。
また、OJT開始前の最終シミュレーションは、格納庫内のドクターヘリで行い、実際の現場同様、限られた空間での動きに一段と緊張感をもって臨みました。スタッフ全員の手厚い指導に対して、感謝の気持ちと同時に期待に応えたいという想いで頑張ることができました。

(モニターを患者役に装着する様子)

フライトナースの難しいところ

設備が整った病院での医療処置の経験しかないので、限られた空間、医療機材しかない状況で、患者に対して最善の対応・処置を行うことが難しいと感じます。
病院でも現場でも、患者の利益が一番ですが、限られた医療機材しかなくマンパワーが明らかに足りない現場では、頭も体力も普段以上に使わなければなりません。

(記録する様子)

初フライトでの感想

先輩ナースの動きや発言を見逃さないように、聞き逃さないように凝視していたように思います。初フライトに関しては緊張であまり覚えていないというのが正直なところです。
ヘリの中は想像以上に狭く、患者の容態が急変した際、自分がどう対応すればよいか考えを巡らせていたことを覚えています。

所属長の小舘看護師長は、「病院前からの治療開始に興味を持ち、高いモチベーションを持ってフライトナースとしての一歩を踏み出した太田さん。理想とするフライトナース像までは、まだ多くの時間と経験が必要です。
日々の振り返りや、たゆまぬ努力と経験を積んで、フライトナースとして成長するのを見守りたいと思います。」とエールを送りました。

今後当院でフライトナースを目指す人へのメッセージ

救急外来は病院の最前線ですが、ドクターヘリで向かう現場は病院前の医療活動です。
あらゆる状況への対応と想像力をフルに活用するため、精神的、身体的に大変な業務ですが、それ以上にやりがいを感じています。今後フライトナースを志す人が増え、一緒に働ける仲間が増えることを願います。

11年目 佐々木看護師

(毎日行われるブリーフィングの様子)

印象に残っているフライト

Part.1でも紹介したように、ドクターヘリでは、患者がいる現場へ医師・看護師が向かい、その場で治療を開始します。これまで、ショック状態の患者や心肺停止状態の患者に接して、現場で処置を行い、病院での治療につないで救命できたときはやりがいを感じますし、社会復帰されたことがわかったときは嬉しく思います。
また、残念ながら救命に至らなかった患者についても心に残っています。
これまで約450件の要請に対応してきました。どの現場も必ず振り返り、自分の学びになっています。

(ヘリ内部や物品の点検、医療機器の動作確認)

フライトナースのやりがい、難しいところ

通常業務との違いは、「その場にいる看護師は自分ひとりであること」です。
現場では病院前という環境で、あらゆる病態の患者が対象であり、緊急性の高い場合も多くあります。毎回異なる現場で、技術、知識や経験を駆使して、目の前の患者に最善を尽くすことにやりがいと同時に、ときに難しさを感じます。また、病院とは全く環境が違う現場で、一番気をつけていることは、患者、クルー、場の安全です。

初フライトで覚えていること

先輩と現場に向かいました。現場到着まで、自分なりに準備を整えていたつもりでしたが、思うように動けず、うまくできなかったという思いばかりが残りました。
点滴などの処置を行うにも、気をつけることや工夫しなければいけないことがあり、病院内とは違うことを実感しました。

撮影日のスタッフと一緒に(左から3番目が佐々木看護師)

今後当院でフライトナースを目指す人へのメッセージ

フライトナースの業務は、さまざまな職種との協力と連携で成り立っています。その連携の輪のひとりとして、救命できる患者のために集中して看護を実践することは、とてもやりがいのある仕事だと思っています。
幅広い知識や技術が必要となりますが、患者のために最善を尽くす熱意が何よりも大切だと思っています。熱意を持って、ドクターヘリで仕事をしたいという仲間ができるのを楽しみにしています。

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