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【県病だより】救える命のもとへ! ドクターヘリpart.1

青森県は、ドクターヘリが2機体制であり、青森県立中央病院(以下、県病)はドクターヘリの基地病院のひとつです。【県病だより】では、2回にわたってドクターヘリについてご紹介します。
 
近年のドクターヘリ要請件数は500~550件前後(うち出動が300~350件前後)、ほぼ1日1件のペースで出動しています。12月~3月の冬期間は、天候不良が多いため、出動件数は減少します。

Part.1では、ドクターヘリの役割や実際の運航についてご紹介します。
 
ドクターヘリは青森県全域を25分でカバーします。
一番重要な役割は、医師・看護師をいち早く救急現場へ連れて行き、早期に治療を開始し、緊急度・重症度の高い患者を救命することです。

 

ドクターヘリに要請が入ってからの流れは以下のとおりです。

  1. 消防から緊急度・重症度が高いと判断されると、県病救命救急センター内にあるドクターヘリ通信センターの運航管理者(CS:Communication Specialist‘‘通信の専門家’’)(以下、CS)へ連絡が入ります。
  2. 天候等に問題が無ければ出動可能と判断し、操縦士、整備士、医師、看護師へ連絡が入ります。搭乗準備をして5分以内に離陸。
  3. 離陸後、現場へ向かいながら、機内で消防からの無線で傷病者情報を収集、医師と看護師で病態や状況を予測・分析し、治療方針の決定や使用薬剤、物品の準備を行います。
  4. 着陸後、傷病者に接触し、救急車内や状況によっては現場に向かい、野外で処置することもあります。現場での滞在時間は15分(±5分)で初期診療、治療処置を行い、重症度・緊急度から病院を選定し搬送します。

ドクターヘリ通信センター

 

ドクターヘリ通信センターには、常時CSが1名待機しています。
消防からの出動要請に基づき、要請現場の天候、着陸場所、医療情報の収集や伝達など、ドクターヘリの運航に係わる調整管理などを行っています。

ドクターヘリに患者を搬送する様子

 

ドクターヘリの出動条件

ドクターヘリは、生命の危機に切迫しているか、その可能性が疑われ、緊急処置をしなければ生命の危険が生じる場合、重症患者であって搬送に長時間を要する場合、特殊救急疾患(重症熱傷、多発外傷、指肢切断)などの病態で出動します。
いずれも救急現場で医師・看護師による診断や緊急治療をいち早く行い、状態を安定化させ、病院での根本治療へ繋げる必要がある病態が中心となります。
 
また、ドクターヘリを要請するために、消防の通信指令課や現場救急隊員等の経験値に左右されることなく、同じ基準でドクターヘリを要請できるように、「キーワード方式」を採用しています。
 

【キーワード方式】
「右側の手足が動かない」「突然の胸痛」「2階の屋根から転落」といった「キーワード」を消防で確認できれば、緊急度・重症度が高い疾患である確率が高いため、ドクターヘリを要請しようという方式です。なかには軽症例も含まれること(オーバートリアージ)はありますが、むしろアンダートリアージといって緊急度・重症度が高い病態を見過ごすことを避けるために、オーバートリアージを容認して対応しています。

ドクターヘリの運航方式は、有視界飛行方式で、操縦士が目視で他の航空機や障害物件を避けて飛行しているため、目視できない天候では飛行は出来ません。雨や霧など見通し距離や雲高等の条件があります。
 
搭乗可能な人数は、最大6名で、通常は操縦士・整備士・医師・看護師・患者が搭乗します。

 

今年になってからのエピソード

遠隔地での水難事故の事例です。
溺水による心肺停止でドクターヘリ要請がされました。
 
離陸後、現場に向かう途中に、その場に居合わせた人の心肺蘇生で自己心拍が再開したと情報が入りました。
傷病者と接触し、意識障害と誤嚥、低酸素を確認し、現場で気管挿管、呼吸管理、酸素投与し、短時間で病院へ搬送され、集中治療の結果、社会復帰することができました。
遠隔地で高次機能病院まで遠かったにも関わらず、ドクターヘリが係わることで、救命の連鎖が繋がった事例でした。
 
次回はドクターヘリの運航に関わるスタッフ、機体整備や機器などについてご紹介いたします。

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