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神経内科研修内容         

Ⅰ.研修目標と理念

目標

神経疾患全般にわたる診療を適切に行うことができる臨床医を育成する。

理念

当科は青森県内の神経内科医師を継続的に育成し、神経内科医療を県内に普く提供するとともにその質を向上することを理念としている。
 
神経疾患は多種多様の病因と臨床全科に広がる幅広い症状・徴候を呈する。そのため、日本神経学会などによる臨床研修マニュアルを型どおり修めつつも、柔軟な洞察力の涵養が望まれる。
 
そこでシニアレジデントには、上級医との討論や院内各部署との意見交換などを通じて、担当患者の診療で最終決断と責任を担う主治医として臨床に従事してもらう。
 
臨床神経学は神経解剖学と神経生理学の上に成り立っている。しかし、我が国の基礎医学教育は必ずしも臨床応用が念頭におかれていない。そこで初学者各位にあっては、神経学的診察や神経画像診断を通じて、臨床神経学に必要な解剖学と生理学を自ら理解する過程が必要である。
 
当科では、上級医が適切な助言でそれを後押しするとともに、臨床に必要な知識と思考法を身につけ、一人前の神経内科医となることに助力を惜しまない。

Ⅱ.研修過程

1.開始年度

毎年4月

2.期間

初期研修終了後の3年間を原則とする。ただし、希望があれば神経専門医の資格を得るまでの勤務延長を最低限保証する。その後引き続いて当院での勤務についても優先的に考慮するが、他施設への研修ローテーションもできるので、将来を見据えたスケジュールを柔軟に組み立てることが可能である。

3.研修スケジュール

当院は日本神経学会、日本脳卒中学会等の教育病院に指定されている。それら学会が掲げている研修目標にのっとり、以下の病棟外来診療スケジュールにそって研修する。また、これとは別に一定期間当院放射線科において神経放射線診断学研修に従事する。
 

月〜金 8:15〜 早朝脳卒中カンファレンス(脳外科と合同)

朝ミィーティングならびに病棟診療

13:30〜 専門外来(パーキンソン病、ボトックス、認知症、電気生理診断)
16:45〜 申し送り
16:00〜 勉強会
13:30〜 合同カンファおよび回診
15:00〜 症例検討会
16:00〜 脳波検討会
13:30〜 脳卒中カンファおよび回診

研修2年目以降は診療業務を担当するほか、一定期間をパーキンソン外来、認知症外来、てんかん外来、神経筋電気診断などで専門的研修を行う。また、当院には当院での身分を継続したまま国内外の他施設で6ヶ月~1年の研修を行う制度が機能しているので、その有効活用も考えて良い。

4.社会人大学院生

当科での研修と平行して、社会人大学院生として弘前大学大学院医学研究科において神経病理学、神経生理学等の基礎研究や臨床材料を用いた研究に従事し、医学博士号を取得することを強くすすめている。

5.研修内容と到達目標

日本神経学会策定の「神経内科卒後研修到達目標」の全内容含む。当科は年間数百名を越す入院患者を扱う北日本有数の神経内科施設であって、common diseasesから稀有疾患まで幅広い研修が可能である。
 
現在勤務している指導医・上級医は症例検討会や各種ミィーティングでの活発な議論を経て、多くの論文を欧米一流雑誌に発表している。そのような指導医の助言の元で、レジデント自身が研修中に遭遇した稀有症例や診療現場から得た材料を用いた臨床研究を国内外の学会で発表したり論文を公にすることは、当科での研修におけるもう一つの重要な到達目標である。

Ⅲ.評価

最終的には神経内科専門医試験の合格によって研修評価が得られたことになる。しかし、実際には先輩や同僚あるいは院内多くの他医師、内外の多くの関係者から総合的な評価が下されるはずである。なかんずく診療にあたった患者によっても評価が下されることは、もって心しておいてほしい。

Ⅳ.専門医取得後の進路

大別して2つの道がある。
 
神経内科臨床医としての道と神経科学研究者としての道である。後者では、臨床神経学を身につけた基礎研究者として神経科学のいかなる領域でも歓迎されよう。また前者を選択すれば、以下のようなサブディヴィジョンとしての専門医制度がさらに用意されている:脳卒中、パーキンソン病をはじめとする運動疾患学、てんかん学、認知症、臨床神経生理学、ほか。将来的にはさらに特殊な研修を必要とする新たなサブディヴィジョンが用意されることがあるかもしれない。
 
一方、臨床に従事しつつも、現場で直面した疑問を解くために基礎医学的アプローチが必要になる場面が少なからずある。その場合には、躊躇なく国内外の関連実験室ないし研究室に赴いて、謎解きに挑戦するのが良い。臨床と基礎医学は車の両輪であり、臨床から得たヒントを深める研究こそが臨床研究の王道だからである。
 
そのような動機に対しては科として援助を惜しまない。世界に向けて飛び出すことを積極的に応援する。当院にはレジデントが他施設で研究・研修を行う際の身分保証制度が完備している。

Ⅴ.研修実績

平成20年にスタートした本研修プログラムにのった当科レジデントがこの4年間に受けた表彰は弘前大学学長賞(最優秀論文賞)、自治体病院臨床医学賞など、都合6度である。そのほか、科員1名が2年間米国大学病院に留学して帰国後に当科現場復帰をはたし、2名が短期海外病院研修に選考された。

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