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救命救急センター(救急部)研修内容 -臨床研修ー

Ⅰ.はじめに

当院救命救急センターでは1次から3次までの救急患者を24時間365日受け入れており、外来初期診療・治療、トリアージに特化した救急医療を目指しております。
 
卒後臨床研修として「primary care」として救急が必修項目となりました。「primary care」という言葉から、初歩的な医療、誰でもたやすい医療と誤解するかもしれませんが、そこにピットフォールに陥ってしまう落とし穴があります。
 
高度救命救急センターへ搬送されるような3次救急患者は少ないのですが、1次・2次救急患者を受け入れていますのでcommon diseaseや一般的な初期治療を多く経験できると思います。また土地柄より患者自身の社会背景・地域病診連携に頭を悩ますことも少なからずあります。これら地の利を生かした、ありとあらゆる救急の「現場」を体験出来ると思います。
 
外科系、critical careを中心とした救急医を目指す場合は各科との調整により考慮します。ただ、地方の救命救急センターであることからER型救急医療、Generalistを目指す方が望ましいと思います。研修中は教える・教わる、答えを直にもらうといった従来の関係ではなく、問題解決型の研修を考えております。将来の専門科を迷っている人、地域の救命救急センターを一度経験してみたい人、などなど、是非当院救命救急センターでの研修をお待ちしております。

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Ⅱ.一般目標

  1. 診断するより判断出来る、トリアージが出来る、ピットフォールを回避出来る力を養う。
  2. 標準的な治療方針に基づいた治療を行い、チームリーダーとして実践・指導・調整する。
  3. 年齢・重傷度を問わず、疾病、外傷、精神的・社会的問題まで対応できる。
  4. 院外の救急に携わるスタッフ、院内コメディカルや専門科との協力・調整が出来る。
  5. 地域における「救命救急センター」の役割と、病診連携の重要性を理解する。

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Ⅲ.個別目標

後期研修は最長3年間まで、最初の1年目が最も重要であり、1年間だけの研修でも標準的治療、最低限の知識・技術を習得できるように配慮する。

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Ⅳ.3年間の臨床研修内容

 

1年次

1.最初の1年目は救命救急センターに専属し、日本救急医学会が監修した救急診療指針に

準ずる最低限の知識、技術を身につける。

2.1年目よりICLSインストラクターとして、院内外を問わず積極的に救急活動に参加する、

また1年以内にAHA BLS・ACLS、PALS、JATEC、BTLS(or JPTEC)受講を目標とする。

3.コミュニケーションスキル(open、受容、共感、解釈モデルなど)を用いて

適切に医療面接を行うことが出来るようにする。

4.鑑別診断のあげ方として、1)3つの軸(頻出、緊急、特異的治療)、2)症候学的鑑別、

3)解剖学的鑑別、を実践出来る。

5.「Disease」と「Illness」の違いを理解できる。

6.救命救急センター待合室研修を行い、受付の応対、待ち時間、待合室と診察室での

患者の様子の違い、walk in患者のトリアージが適切か、など患者がどのような様子で

受診、診察しているのか、また満足して帰宅しているのかを観察して学ぶ。

2年次

1.2年目以降、救急関連の他科への研修も考慮する。

2.2年目にはAHA BLS・ACLS、PALS、JATEC、ITLS(or JPTEC)などの

標準的治療を実践する。

3年次

1.3年目にはAHA BLS・ACLS、PALS、JATEC、ITLS(or JPTEC)などの標準的治療を

指導できるようにする。

2.日本救急医学会専門医の取得を目標とする(他科の専門医取得も希望する場合、

各科との調整による)。

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Ⅴ.勤務内容・体制

  1. 最初の1年目は救命救急センター専属とする。
  2. 平日午前8時30分から午後5時まで、毎朝、前日の症例検討会を行う。日中、救急外来(walk inから救急搬送まで)入院担当を全て行う。
  3. 月4~6回程度の当直、当直体制は内科系当直、外科系当直、NICU当直、MFICU当直がある。各科オンコール体制、後期研修医は内科系、或いは外科系当直、ELCU当直を行う。
  4. 定期的にシミュレーターを用いてoff the job trainingを行う(心肺蘇生法,外傷初期治療など)。
  5. 診療は指導医と行うが診療も状況に応じて行う。
  6. 臨床研修医の指導的役割を担う
  7. 後期研修2年目より希望があれば、フライトドクターの研修も行う。
  8. 外科系、critical careなども目指す場合は各科との調整により考慮する。また院外の研修にも対応する。(期間は要相談)
  9. Common diseaseを更に経験したい場合、Generalistとして活躍している県内の病院・診療所での研修にも対応する。(期間は要相談)

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Ⅵ.研修の評価

    1. 詳細は日本救急医学会が監修した救急診療指針に準ずるので参照を、最初の1年間で下記の「6.望ましい基本手技」を除き、全て習得出来ることを目標とする。
    2. 救命救急センターのみでは経験できないことも多くある。院内専門科、県内の病院・診療所との連携により、出来る限り経験できるよう配慮する。
    3. 評価方法(A:平均以上,B:平均,C:平均に達せず)

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Ⅶ.最後に

救命救急センターといっても、3次救急患者が多数搬送されてくる時もあれば、1次・2次救急患者だけの時、また閑古鳥の時もあり、来院患者数は非常に波があります。当院は3次救急患者から、1次・2次救急患者も対応しております。
更に、ドクターヘリ運航を開始後、緊急度重症度が高い患者も多く搬送されるようになりました。ER型救急対応は無論のこと集中治療も一緒に学ぶことができます。
 
一般目標にも記載しましたが、年齢・重傷度を問わず、疾病、外傷、精神的・社会的問題まで対応でき、院内外の救急に携わるスタッフや専門科との協力・調整ができ、また地域における「救命救急センター」の役割と、病診連携の重要性を理解できるようなgeneralistの育成を目標としております。
 
将来の専門科を問わず、また出身大学、医局も問いません。某先生が述べた「なまけず、おこらず、いばらず、あせらず、くさらず、おごらず」を合い言葉に、是非楽しく当院救命救急センターで一緒に働きましょう。

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