医療管理監
医療管理監
小野 正人(おの まさと)- 卒業年/昭和53年 卒業大学/京都府立医科大学
資格など/
得意分野/生活習慣病 食事運動療法の実践カウンセリング、県域への健康増進事業の伝播・育成
医療管理監から
私は2年前の春、青森県全域に地域の行政と公的医療機関が連携した健康増進事業(メディコトリム 以後メディコ事業と略す)を立ち上げるためにやってきました。
さいわい関係者の皆様の絶大なる応援のおかげをもちまして、2009年11月県病でのメディコ事業発足を皮切りに鶴田町にも同事業を立ち上げる事ができました。また、2010年度からは正式に県のプロジェクトとして町村にメディコ事業立ち上げ援助事業が開始され、その成果として平内町、鰺ヶ沢町にも同事業が立ち上がりました。本年度は候補地として具体的にさらに数か所が名乗り出てきています。
ここで青森県最大の高度医療センターである県病が何故あえて政策医療としてこのプロジェクトを進めている理由を説明します。
少子高齢化が進み、現在も寝たきり人口の増加はとどまるところを知りません。青森県でももちろんその傾向が他県より強いわけです。団塊の世代が従来通りの生活習慣の状態で2025年になると医療費と介護費の合計は70〜80兆円という試算も出ています。一方、寝たきり状態や、寝たきり予備軍の要介護状態の人の80%以上は、過食や、定期的運動をしないことからくるメタボリック症候群やロコモティブ症候群が遠因となっています。寝たきり予防事業は、従来は主に行政の保健や福祉課の仕事でした。彼らも寝たきり予防のためのさまざまの事業を行ってきていますが、さまざまの理由で、誤解を恐れずに言うと非力でした。特定健診の導入後も同様の状態です。そこで保健活動(運動や食事の集団指導)に医療を強く絡ませて、少し早めから医療的指導や補助(検査、投薬、外来での指導)を加えることによりメタボやロコモを、より早い段階でブロックしようというのがこの試みです。私の前任地でのこの事業の成績は5年間でメタボないしメタボ予備軍の約600人に対して半分以上の参加者が元体重の5%減量に成功し、抗メタボ薬を服用中の多数に休薬や減薬効果が認めました。青森の活動中のメディコ事業でも同様の成績が出始めています。県病のメディコ事業は県域全体にメディコ事業という苗を植え付けるための、いわば苗床です。これで一気に短命県の汚名返上はできるとは思いませんが、いつかそうなる種をまいておくことは重要かつ必要かと思います。今年はメディコ研究会やメディコ医師団の発足を考えていますが、関係各位のコンセンサスの共有なくしては成り立ちません。どうか皆様、強力な協力をよろしくお願いします。



