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耳鼻咽喉科・頭頸部外科

耳鼻咽喉科・頭頸部外科の新着情報

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診療スタッフ

部長 太田 修司(おおた しゅうじ)
卒業年/昭和57年
卒業大学/順天堂大学
資格など/日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医
得意分野/耳鼻咽喉科・頭頸部領域の手術的治療、睡眠時無呼吸症候群関連、喉頭疾患の治療
医師 工藤 直美(くどう なおみ)
卒業年/平成22年 
卒業大学/弘前大学
資格など/日本耳鼻咽喉科学会 認定専門医
得意分野/頭頸部外科学、頭頸部癌治療
医師 野村 彩美(のむら あやみ)
卒業年/平成26年 
卒業大学/弘前大学
資格など/
得意分野/耳鼻咽喉科学

診療内容

1.難聴・耳鳴・めまい
急性発症の感音難聴の中で原因が明らかでない場合、突発性難聴としてステロイド治療が行われるのが一般的ですが、糖尿病等でステロイドの使用が難しい場合は全身投与ではなく鼓室内注入療法を行っており、その効果が認められています。

糖尿病非合併者にも聴力改善傾向がと乏しい場合は、併施しています。最近の研究では突発性難聴の中に外リンパ瘻が多く含まれていることが報告されつつあります。
今後、診断と治療方法は変化していくと予想されます。

一方、手術で改善しうる難聴もあります。鼓膜穿孔が原因の場合は鼓膜形成術が適応になりますが、当科ではまず、コラーゲンスポンジを利用する鼓膜穿孔閉鎖術が可能かを検討します。
鼓膜穿孔縁を新鮮化するという基本手技はほぼ同等ですが、鼓膜穿孔閉鎖術は入院がの必要がなく、かかる医療費も従来の1/40程度です。ただし、鼓膜穿孔の位置や大きさによって限界はありますので、全員に行えるものではありません。

また、外傷による耳小骨連鎖離断も手術で劇的に聞こえが回復します。その他、滲出性中耳炎や好酸球性中耳炎、真珠種性中耳炎など病態はさまざまですので、正しい診断が欠かせません。

耳閉感が主症状の場合は耳管狭窄症であることもありますが、まれに全く逆の病態である耳管が開きっぱなしの耳管開放症のこともあります。症状では区別はつきませんが、耳管開放症は急激な体重減少がきっかけで生じることが大部分です。

まだ簡便かつ有効な治療法がないのが現状ですが、液体コラーゲンを耳管口付近に注射する方法も検討されつつあります。
2.顔面神経麻痺
末梢性顔面神経麻痺であるベル麻痺やハント症候群に対して積極的に治療しています。
ハント症候群は水痘帯状疱疹ウイルス再活性に起因しますが、ベル麻痺もウイルス感染が背景にあることが以前から考えられており、抗ウイルス剤の投与は有効と報告されています。

まれに中耳疾患や耳下腺腫瘍、内耳疾患に起因することもありますので、原因疾患の検索も重要です。
予後不良と診断されて治療開始となった場合は、顔面神経麻痺減荷術を検討することになります。
3.アレルギー性鼻炎・花粉症
薬剤の効果が得られにくい鼻閉型に対して、下鼻甲介粘膜を蒸散させる炭酸ガスレーザー治療を取り入れています。

レーザー治療は可逆性ですので、効果不足の場合は手術(下鼻甲介切除術)が有効ですが、それらの中間的な位置づけとして外来で行うことが出来るコブレーター治療(高周波を利用した低浸襲なバイポーラーシステム)を導入予定です。また、今後全国的に開始となる予定のスギ花粉症舌下免疫療法の準備が整っています。
4.鼻副鼻腔内視鏡手術
慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)、鼻茸(鼻ポリープ)、副鼻腔真菌症、鼻腔腫瘍(主に乳頭腫)、術後性上顎囊胞など、鼻副鼻腔疾患に対する手術を鼻内視鏡下に行っています。
最新の磁場式のナビゲーションシステムを全国で最初に導入して、手術の制度を向上させ、手術合併症の予防に努めています。
5.囊胞疾患に対するピシバニール注入療法
口の中において舌の下が腫れてくる口腔底ガマ腫や、顎の下が腫れてくる顎下型ガマ腫に対するピシバニール注入療法を多数経験しています。重篤な副作用がなく、低侵襲な治療によって手術を行わずに治癒可能です。甲状舌管囊胞の一部や、手術が困難な舌根部の囊胞に対しても応用していて、良好な結果を得ています。
6.睡眠時無呼吸症候群の診断と治療
終夜睡眠ポリグラフィー検査(精密検査、簡易検査)を行っています。重症の閉寒性睡眠時無呼吸症候群の場合はCPAP療法を導入し、金曜日午後の睡眠時無呼吸外来で経過観察しています。

睡眠時無呼吸症候群は単独で存在する疾患ではなく、肥満や生活習慣など「生き方」そのものをベースに発症し、高血圧症、不整脈、心筋梗塞や脳血管障害等の突然死へ発展する危険性を伴い、さらには社会的な損害と補償問題(海外での原発の事故、高速道路での事故、新幹線が停車しなっかった交通産業での事件など)にも発展する可能性のため、総合的に取り組むべき全身疾患です。

全国一の短命県である青森県ではCPAP療法を必要とする睡眠時無呼吸患者が多数、存在していると考えられます。

CPAP療法を継続していく上で問題になるのは鼻閉です。経鼻的に圧をかけて咽頭腔を押し広げる治療ですので、風邪や飲酒習慣などによって鼻閉があるときにはCPAP療法は困難です。
本来、呼吸は鼻で行うものですので、鼻内手術で気道抵抗を改善させる必要があります。
そのため鼻ポリープや副鼻腔炎など器質的異常は解決しておかなければなりません。
このように診断から治療まで一連の流れの中で実施しています。

手術によって呼吸状態が改善されることは知られています。小児の睡眠時無呼吸症の場合は、扁桃肥大やアデノイド増殖症によることが殆どですので、従来の口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術によって劇的に呼吸状態は改善します。成人の場合は咽頭形成術を行うこともあります。睡眠時無呼吸症候群を伴わない
いびき症に対しては有効な治療方法が乏しいのですが、咽頭形成術より低侵襲で有効性が知られているコブレーターを導入予定です。
7.顔面・頭頸部領域の急性炎症・外傷・異物、出血
耳鼻咽喉科は呼吸と嚥下の最初の部分を担当しますので、特に気道確保を必要とする種々の急性疾患(急性喉頭蓋炎、扁桃周囲膿瘍、深頭部腫瘍など)に対して常時診療できる態勢をとっています。
きわめてまれですが、遺伝性血管浮腫や薬剤性の咽頭・口腔内浮腫の存在も知っておかなければなりません(症例経験あり)。

頸部や咽頭頭外傷は気道確保だけでなく、嚥下機能への影響も見逃すことができませんので、その評価が重要です。食道異物や咽頭異物も重症度には幅があり、致死的なこともありますので経験が重要です。

直達鏡下や内視鏡下摘出術が不可能で、頸部外切開による摘出術が必要になる症例も存在します。
難治性の動脈性鼻出血に対しては血管寒栓術による止血の実績があります(放射線部の協力です)。
8.音声障害・嚥下障害に対する手術治療
音声障害は声帯ポリープや咽頭腫瘍など器質的異常が原因となることが多いのですが、声帯可動性障害によっても生じます。
原因が明らかでない突発性の場合もしばしばありますが、甲状腺疾患や大動脈瘤などの胸部外科疾患が原因であることもあります。

声帯麻痺による嗄声に対して手術療法を行えます。外来で行う液体コラーゲン注入法や、全麻下に行う側頭筋筋膜移植による声帯内方移動術です。
脳血管障害後の誤嚥に対しては喉頭摘出術や声門上喉頭閉鎖術で、嚥下障害に対しては輪状咽頭筋切断術により対応することが可能です。
9.頭頸部腫瘍に対する診断と治療
頭頸部領域には良性、悪性を問わず、種々の腫瘍が発生しますが、悪性腫瘍の場合、東北6県の中でも進行した患者が多いという統計があります。
男性は全国一位、女性は二位という高い喫煙率(2010年)は、健康意識の欠如という健康教育水準の低さを反映しているといえます。

頭頸部癌(甲状腺癌を含む)に対して手術、放射線治療、化学療法を総合的に行っています。
放射線治療には化学療法を組み合わせることが多いのですが、主に舌癌や下咽頭癌、上顎癌に対しては動注化学療法(放射線部の協力)を積極的に取り入れて、良好な治療成績となっています。
2013年4月からは頭頸部癌に対して分子標的薬セツキシマブが解禁となり、同5月から導入しています。

進行下咽頭癌に対しては手術に対応可能で、遊離空腸移植術による頸部食道再建術が行われています(外科と弘前大学形成外科との共同手術)。頸部リンパ節の腫脹には耳鼻咽喉科の総合的な診察が欠かせず、生検を含めて迅速に対応しています。
悪性リンパ腫だけでなくリンパ節結核も忘れてはならない疾患です。

得意分野

  • 耳鼻咽喉科・頭頸部領域の手術治療
  • 鼻閉、睡眠時無呼吸、呼吸障害など上気道疾患に関する診断と治療
  • 聴覚、嗅覚障害のほかに音声障害、嚥下障害等に対する機能回復手術

部長から

耳鼻咽喉科・頭頸部外科の診療範囲は比較広く、耳、鼻、口の中~のどだけではなく、鎖骨から上の顔面、頸部の異常を取り扱います。

そのため眼科疾患、歯科疾患、脳神経疾患、皮膚疾患、上部消化管疾患と関係することはしばしばあり、まれに婦人科疾患、泌尿器科疾患、血液疾患と結びつくこともあります。
そのため他科との密接な連携も必要になります。

特徴としては聴覚、平衡覚、味覚や嗅覚など五感の多くに関係し、他者とのコミュニケーション手段である音声機能障害や顔面神経麻痺、呼吸や摂食の最初の部分に位置することから呼吸困難や睡眠時呼吸障害、咀嚼・嚥下困難のトラブルにも関わっています。

外科系分野に分類されていますが、内科的治療から外科的治療まで治療の選択肢も幅広いといえます。
例を挙げればアレルギー性鼻炎に対する薬物治療からレーザー治療、そして手術。
睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP療法から手術。さらには嗄声、嚥下障害・誤嚥に対する手術方法もあり機能回復外科という概念もあります。

当科の治療方針は機動力を活かしての、迅速な治療の完結を基本としています。
たくさんの引き出しを持って、きめ細やかで丁寧なパフォーマンスを目指しています。

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