青森県立中央病院

細菌検査部門

細菌検査とは?

塗抹検査

熱が出たり、膿ができて腫れたり、下痢を起こしたりという症状が起きたことのある方は多いのではないでしょうか。
これは目には見えない小さな微生物が原因になっている場合があります。
患者の皆様から出されたいろいろな材料(膿汁、痰、尿、便など)を調べて、症状を引き起こしている有害な微生物がいるかどうか、その微生物は何か、どのような薬(抗生物質)が効くのかを検査しています。

Ⅰ.塗抹検査

塗抹検査

痰や膿汁などの検体をスライドガラスに塗り、染色して、細菌の有無や形、量を顕微鏡で観察します。病原菌の種類が推測できる場合があります。結果は15分程度で報告できます。

Ⅱ.培養検査

培養検査

検体を「培地」という微生物にとって必要な栄養を含む寒天に塗って、微生物の発育に適した温度のフランキで培養します。すると微生物が増殖してコロニーという目に見えるほどの塊を作ります。このコロニーで微生物の性状を調べて名前を付けたり、何の薬(抗生物質)が効くかを検査します。通常、微生物の発育に18~48時間の時間を要します。

Ⅲ.薬剤感受性検査

自動同定・感受性装置

病原菌が見つかった場合、その菌には何の薬(抗生物質)が効くのか、また効かないかを調べます。通常16時間を要します。

Ⅳ.抗酸菌検査

遺伝子解析装置

いわゆる結核菌の検査です。結核菌は普通の細菌と違い増殖に時間がかかるため通常の培養検査では約2カ月かかりますが、遺伝子検査という方法で迅速に結核菌が検出できます。結核は、咳、痰、発熱、疲労感など風邪に似た症状が現れます。咳や痰が2週間以上続くような場合には、結核も疑って医師の診察を受けましょう。

●遺伝子検査とは?

遺伝子検査とは?

結核菌の中にあるDNA(デオキシリボ核酸)をPCRという方法で増殖させて検出する検査です。もし検体(喀痰など)の中に結核菌が存在すればわずか数時間で検出できます。

Ⅴ.院内感染対策、環境検査

院内感染を起こしやすい菌が検出された場合には随時病棟などに連絡し、院内感染の防止に貢献しています。

細菌の話

≪食中毒の原因となる細菌やウイルス≫

食中毒

食中毒の原因の大部分は細菌によって起きます。有名なものには腸管出血性大腸菌O157、黄色ブドウ球菌、サルモネラ、腸炎ビブリオ、キャンピロバクターなどがあります。
ウイルスではロタウイルスやノロウイルスなどがあります。食中毒を防ぐには、手洗いと食品の十分な加熱調理が効果的です。

腸管出血性大腸菌O157

O157

菌の出す「ベロトキシン」という毒素により、激しい腹痛や下血を伴う出血性腸炎の症状を起こします。小児や老人では重症例もみられ死にいたることもあります。

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌

この菌が食品の中で増殖するときに出す「エンテロトキシン」と言う毒素により、激しい吐き気や腹痛、下痢などの症状を起こします。この毒素は熱に強く、食品を加熱しても壊れないため注意が必要です。

サルモネラ

腹痛、下痢、発熱などを起こします。しばしば集団食中毒の原因菌にもなる菌です。食肉、卵料理などで感染することが多く、加熱に弱いため食品の十分な加熱が重要です。

腸炎ビブリオ

魚介類

魚介類で増殖しやすい菌です。刺身などを常温で放置しておくと菌が増えるため食中毒を引き起こします。吐き気や激しい腹痛、下痢などの症状が出ます。刺身類などの生ものは食べる時まで冷蔵庫に入れておきましょう。

キャンピロバクター

焼き鳥

腹痛や下痢などを起こし、まれに血便の症状が出ます。小児では血便を伴うことが多く見られます。鶏肉(生食や生焼け)などが原因となることが多く、十分な加熱が必要です。(冷凍の焼き鳥などに気を付けて!)

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